2004年11月17日から2005年2月22日まで、学び舎5棟目の建設候補地を調査するため、高橋慎一郎さんがボリビアに行ってきました。その調査報告です。
今回の渡航による調査では、次期建設候補地調査に関し、ボリーバル郡とシカヤ市を調査範囲に含めることを現地UNICEFオルタナティブ教育担当ブラディミル・ロハス氏との打合せにより決めました。
次に、郡教育長ディアス・ワルデル氏、及び、オルタナティブ教育担当者ウーベル・メルカード氏との話し合いにより、ヤルビコーヤ村についての調査を行うことにしました。ボリーバル郡の西側地域は村の数が少なく、近隣村を含めた学び舎の多角的な利用は難しい、一方で南東地域に位置するヤルビコーヤ村付近には数多くの村があり、より多くの人々の利用が可能であると考えられるた
めです。
ボリーバル郡ヤルビコーヤ村
ヤルビコーヤ村は、54家族で構成され、村の人々は川を挟んで3ヵ所に分かれて生活をしています。情報ではボリーバル郡中心のボリーバル村から徒歩1時間30分と比較的近く、現地で活動を行なうNGO「PDA-ボリーバル」も活動する地域であり、比較的援助が行き届いた村ではないかという懸念がありました。しかし、実際に村を訪れると、確かに綺麗にペンキが塗られた小学校はありましたが、しかし識字教育や村内の様々な活動が行われる集会所兼識字教室は、壁の石膏は剥がれ落ち、窓ガラスは割れたまま等という状態でした。また、村内で住民へのヒアリングをした結果、スペイン語の読み書きが出来ない人はまだまだ多く、さらに識字教育以外に裁縫や農業研修等のオルタナティブ教育を受けたいという声も聞こえてきました。こうした状況――識字教室環境の不十分さ、識字率の低さ、オルタナティブ教育を学びたいという意識等から判断すると、ヤルビコーヤ村は学び舎建設候補地の一つとして挙げられるのではないかとの思いを強くしました。
シカヤ市ソタサ村
シカヤ市はコチャバンバ県の南西、カピノータ郡に位置し、海抜平均2,500m、村の多くはアルケ川沿いにあります。実際に調査を行う村の選定のため、カピノータ郡のディアス・ワルタル氏とオルタナティブ教育担当者ニカノール・チョラ氏と話し合いを行い、5ヵ村の調査を行うこととしました。その中でも、特にソタサ村という村に学び舎の必要性を強く感じました。ソタサ村は55家族で構成されアルケ川沿いに位置した山の頂上にあります。山の上なので上水が少なく、飲み水にも苦労している村です。
識字教育の条件に恵まれず、住民集会も外部で開催しており、「Yuyay Jap’inaプロジェクト」以外にプロジェクトがなく、十分な上水もない等といった環境を考慮すると、ソタサ村も、ヤルビコーヤ村と同様に5棟目の学び舎建設候補地の一つとして挙げられるのではないかと感じました。
今回の渡航では、主に2つの村を中心に調査しましたが、さらに候補地を調査し選定したうえで、運営に関する準備も含め作業に取り掛かりたいと会は考えています。5棟目学び舎の建設地についての調査はまだまだつづきます。