2006年1月15日日曜日

事務局だより ―現地NGOとの連携を視野に

 明けましておめでとうございます。2006年、どのような年になりましょうか。学び舎づくりの会にとってはボリビアでの活動を再始動する年になると思います。本年もどうかよろしくお願いいたします。

ボリビアだより 大統領選!   高橋慎一郎

 ボリビア共和国の中心部に位置するコチャバンバから、現地の最新情報をお伝えします。
日本から見て地球の反対側に位置するボリビア共和国は、初夏を迎え、Chopと呼ばれる生ビールが美味しい季節を迎えようとしています。しかし、今年は、例年になく、雨量が多いです。とくに、コチャバンバ市内から数時間バスで走ったところに位置する常夏のチャパレ地区の川は氾濫し、橋が流されてしまいました。そのため、一時期、コチャバンバとボリビア第2の都市サンタクルスを結ぶ国道が遮断され、多くの人々に多大な影響を及ぼしました。
 そんな、初夏のさなか、こちらボリビアはまもなく、大統領選挙を12月18日に迎えようとしています。

建築での「空間」と「場」について    薩田英男   

 学び舎は「場」をつくる会なのかそれとも建築の「空間」をつくる会なのか。よく会のなかでソフト、ハード、ハコモノなどの議論とともに立場や専門の違いから口角あわをとばすテーマである。会の目的には「場」=集まり・活動・空間など多くの意味を含むということで事なきを得ている。

応援します「聖マルティンの家」 SAN MARTIN DE PORRES

 会のスタディツアーでも訪ねた、野原昭子さんが運営する障がい者自立支援施設「聖マルティンの家」を学び舎づくりの会も“支援”したいと考えています。

 教育・福祉・医療制度がたちおくれているボリビアにおいて、障がい児・者への支援や自立に向けた諸制度の整備も例外ではありません。社会的弱者である障害をもつ人々は、都市にあっても、また郊外や高地の村々にすむ人々も劣悪な環境で生きざるを得ない現状があります。まだ日本でも見うけられますが、障がいをもっているということで、家の中に閉じ込められたきり村の片隅で生涯をすごす人もいると言われています。事故などで障害をおったため、離婚された人、障害をもっているため親に見捨てられた子ども等、さまざまな人々が野原さんの施設の門をたたきます。
 コチャバンバでこのような人々を支援してきた野原さんに、人のあり様を考え続けている私たちの会が出会ったのも、必然のめぐりあわせのように思われます。

「聖マルティンの家」 を語る       野原昭子                

 “道でためらわず 目標をみうしなわず 常に努力し 常に歩み 常に前進して行きなさい” この言葉が誰の言葉かは知りませんがこれは私が16歳の時にかかげた私のモットーでした。では目標とは何かそれは“雑巾になること”。この思いが今の自分のしていることにつながっています。40歳になって修道院を出てまで障がい者と共に生きる道を選んだのは、いや40歳になって選んだのではなく、すでに7歳の時に私の中にその選んだ道があったことを40歳の時にはじめて意識したのです。

「場づくり」へ――ハードとソフトの垣根を越えて  代表 永田佳之

 ボリビアでは街中でも標高4千メートルの高地でも教会を見かける。たまに立ち寄り中に入って感じるのは、天井へと引かれるような垂直の力である。教会の尖塔がとんがっているせいか、十字架が天上を指しているせいか、磔刑のキリスト像が目線より上にあるせいか、垂直の力が強く働いている空間である。
 こうした空間とはまったく異質だが、同じくキャンドルがあり、歌声が響き、笑顔の絶えない清らかな場に、ボリビアで巡り会ったことがある。そこは、垂直の力は感じないが、身体を包んでくれるような水平のつながりを感じさせる不思議な空間であった。
 5年ほど前になるだろうか、コチャバンバ市校外のフィールドで教育調査をしていたときのことである。