2002年12月8日日曜日

副代表(建築部代表)あいさつ  副代表 福峯衆宝

 人は考えます、なぜボリビアなのか、どうしてあんな遠い国で?本当に必要なんだろうか?いろいろ考えながらここまで来ました。
 学び舎に対して私自身固い信念が有るわけではないし、教育に関心があるわけではないし、ボリビアに住んでいたわけでも、旅行したこともないしほとんど関係の無い私ですが、縁とは不思議なものです。薩田事務所で「今回ボリビアで学校を作ろうとしているんだけど」と話を聞いて「面白そうだ!」ただそれだけで、参加者に名前を書いておいて!と初代会長薩田さんにお願いしたところから始まったのです。
 
計画の段階で薩田事務所で当時の理科大の学生達が夜遅くまで模型を作り、こんな物では建築はできんと文句を言われて徹夜の作り直しの連続だった頃、出来てきた図面と模型を見てあまりにもグレイトな建物で精度が高く、正直言って日本国内でも難しいものを日本の真裏に当たる遠い南米の国ボリビアで造れるとは思っていませんでした。「学び舎」が形を成し、しかもこんな早い時間で2棟も実現している事を考えると皆さんの力はすごいと改めて感動しています。私は東京で建築の施工専門で現場マンとして生業をしていますので造ることには興味もあるし、造る為のノウハウも有ります。しかし単なる現場監督ではこの学び舎はできないだろうし、できれば日本の職人をと考えても見ました。ですが皆で努力して来て、施工に関しては素人集団で最初のテキパヤの学び舎に挑みました。知らない国で、その国の建築環境も知らず、職人の技術がどの程度かも知らずに現地の職人主体で施工を進め、あの難しい建物が良くここまでできたと自分では感心しています。
 会の構成としては文科系の事務担:ソフト部会、理科系の実務建築担:ハード部会(建築部会)で大きく分けていますがソフト部会は実に真面目で頻繁に会議を開き建物の今後の使われ方等までフォローできればと懸命です。その点建築部会は問題がたくさんある割には3棟目の建設地が選定途中なので今の諸問題整理だけでこれからだと考えています、今まで2棟の学び舎を完成させましたが1棟目テキパヤの学び舎は現地の職人中心で建てましたが、2棟目シウダデルニーニョス学び舎は現地にメンバーの高橋君が長期滞在し、佐藤君が何度もボリビア往復をしてくれ足掛け7ヵ月の現場指導と高橋君のフォロー、自身職人として屋根組に取り組んだ結果1棟目には無い精度の良い学び舎が出来ました。
 1棟目の建築は現地の職人まかせの作業内容からか今年の集中豪雨で瓦がはがれてしまいましたが、佐藤君の機転で屋根修復は済ませました。しかし抜本的な修理が必要な事態で今年は若いメンバーをテキパヤにも投入し屋根瓦葺き替えを計画しています。
 今後3棟目の計画は日干し煉瓦を使いよりシンプルで耐震性にすぐれた安全な学び舎を目指します。1,2棟の設計概念を踏まえて3棟目の集落と敷地が選定され次第、日本人らしさのある学び舎で現地の風景にとけこむ建物の図面製作、模型製作検討する予定で考えています。
 私が建築屋で物作りが好き、ただそれだけで「学びたくても学ぶ場所が無い」この言葉に惹かれ、私でも少しは人助けになる事を信じて学び舎造りに参加して来ましたが、興味のある人、情熱のある人、無くても時間の有る人、酒が好きな人、すべて歓迎します、特にボリビアで汗を流したいと考えている人歓迎いたします。