2008年6月20日金曜日

「学び舎」報告 ~学び舎を訪ねて~  松下朋子

健在・1棟目
今回は約7~8年前にコチャバンバ郊外に建てられた「学び舎」が、その後どのように使われているのか(ソフト)、建物の状態はどうか、修復は必要か(ハード)の両方を調査するために、記念すべき学び舎1棟目と2棟目を訪れてきました。私は1年半前に入会したので今回初めて「学び舎」を見たわけですが、まわりにはない、珍しい楕円形をしているのに、まったく違和感なく周囲の風景にとけこんでいました。地場の素材を使って、地元の人の力もくわわって、日本から職人も参加してつくったこの「学び舎」。職人さんたちはずいぶん苦労をした部分もあったそうですが、そのユニークな屋根、まあるい室内、木製の窓や家具、オレンジ色の瓦、深い庇の下の広々としたコリドール、壁に描かれた絵など、なんともほんわかとした素敵な場所でした。


室内には穏やかな陽光が差し込む
学び舎1棟目で勉強する子どもたち

 1棟目を訪問した午後3時はちょうど学童の子どもたちが算数や国語のノートを広げて勉強しているところでした。ここでは建設当初から関わっているファナさんが笑顔で迎えてくれ、月曜日から金曜日の午後2時間ほど、40~50人の子どもたちを3人の先生でみている、と教えてくれました。建物は部分的には劣化の激しいところもあり、どのような修理が必要かということもわかりました。ゆるやかな傾斜面をのぼっていったところに建てられた学び舎第1棟目は少しくたびれている感じもしたけど、丸い建物が背後の山や自然に囲まれて、それは絵になる風景でした。













 2棟目では2006年にモラレス大統領になってから識字教育の場として使われ、しばらく使われない時期もあったけれどその後診療所として使われ、今ではスイスのNGOが自治体から建物を無料で借りてバレーダンスクラブや、サッカークラブ、映画鑑賞などさまざまな文化活動に使っているとのことでした。なかでもバレーダンスクラブはとても人気があり、外国に招待されたり、遠くの村から通ってくる人も多いとのことでした。建物はとてもよく手入れされており、文化活動のチラシが正面入り口の壁に貼ってありました。前に住むマリアさんに話を聞くと、このあたりでは親が働きにでていて家にいない子どもたちが多いので、学童にしてほしい、そのためにイスや本を集めたりしている、あとは管理人の給料をもらうために市と交渉している、と教えてくれました。 

 1棟目と2棟目では地区が異なるため、状況も異なりましたが、両方に共通していたのは、そこで教える先生や管理人へ支払う給料を確保することが難しいということでした。建物は自治体・婦人会・現地NGOの3者に責任もって運営してもらうよう学び舎から手渡されたわけですが、もともと裕福な国ではないこともあり、円滑な運営というのは難しいようでした。が、その中でも2つの「学び舎」では頑張っている人たちがいるということを知ることができて、うれしいとともに今後の課題も少し見えたように思いました。           

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