コチャバンバ県ボリーバル郡リャイタニ村
2)建設地の所有者:リャイタニ地域住民自治会
※リャイタニ地域は次の6村からなる
①リャイタニ村 ②ピルワニ村 ③アケラナ村
④アンタキリ村 ⑤アンプタカイマ村 ⑥チュリパラダ村
3)施設の所有者:リャイタニ地域住民
4)着工日:2003年10月20日、完成日:2004年6月3日
5)経過:
2003年7月より地域住民との施設の具体的な使用法、プロジェクトの進め方(建設への参加方法)などについて話し合いを始める。同時にカウンターパートとなるUNICEF、ボリーバル郡役所、ボリーバル郡教育長、現地教育委員会(SEDUCA)と、このプロジェクトの意味と相互の役割を約3ヵ月かけて話し合い、10月に契約。
10月初旬から住民による建設準備(石、砂などの運搬、敷地の整地)が始まる。
各家庭が日干し煉瓦を制作し、住民側の作業が進められ、10月20日、建設契約書を交わし、その日から職人が入り、住民と共に建設工事が始まった。住民の建設委員会が中心となり、作業に合わせて、シフトを組み、4人~10人の住人が、ほぼ毎日建設に参加した。
2月初旬までに屋根をかけ、また建物の教室部分の室内を仕上げ、教室部分のみ使用可能な状態にした。2月中旬からの識字教室使用開始にあたり、2月6日に建物の引渡し契約式を行った。2月~3月は雨期の期間でも特に雨量が多く、建設に適さないため、一旦工事を中断。4月から工事を再開した。
4月からの工事には本プロジェクトを通じて派遣された佐藤が中心となって現場を管理し、また技術指導を行った。倉庫部分、ロフト部分、外壁、外周、その他細かな修正工事を行い、6月3日全工事が終了した。ボリーバル郡役所からは、本プロジェクトに対する感謝状が届いている。
2月からは住民が当初から希望していたCETHAプログラム※と、UNICEFによる識字教室が始まっている。
※CETHAプログラム(成人に対する中等教育+専門技術教育プログラム。修了すると中等教育卒業資格が与えられる)
6)住民からの声)現地の人々の反響・意見
・50代男性(チュリパラダ集落):自分の住む集落からは遠いため、 あまり使用できない。息子達は使用するだろう。
・40代女性(ハンタキリ集落):3日作業に参加した。編物の授業がここでできるよう運営委員会と働きかけたい。
・40代男性(ハンパトカイマ集落):月に一度ある組合の集会の際に使用したい。日本の建設技術でより頑丈な建物ができた。感謝し ている。
・30代女性(リャイタニ集落):今まで識字教室は学校を借りたり、組合の集会所を借りたりしていたが、今、綺麗で大きな建物ができた。これからはここでできることがとてもうれしい。
・30代男性(ピルワニ集落):ボリーヴァル(町)でやっているCETHAプログラムがここでもできるようになって大変うれしい。
・20代女性(ピルワニ集落):識字教室で使う予定。綺麗な場所ができて感謝している。
・20代男性(リャイタニ集落):CETHAプログラムに参加したい。
・10代男性(リャイタニ集落):自分は建設技術を覚えるために、ほぼ毎日建設に参加して、親方についていた。今後も親方について行き、街で働きたい。
・10代女性(アケラナ集落):CETHAプログラムに参加してみたい。とても綺麗で頑丈な建物ができてうれしい。
・リャイタニ集落の小学校の先生:日本の協力のおかげで立派な建物ができた。編物など、自分が教えられることは、ここで教えていきたい。
7)学び舎の会スタッフ派遣状況:
①伊藤有樹
時期:2003年10月18日~10月31日
仕事内容:最終的な契約交渉、日干し煉瓦づくりワークショップ指導、職人への技術指導
②佐藤隆
時期:2004年3月30日~6月27日
仕事内容:現場管理、技術指導、事務作業
③落合裕梨
時期:2003年5月3日~2004年2月16日
仕事内容:事業の調整役、事務作業、会計
8)現地施工スタッフ雇用状況:
現場監督1名、親方1名、手元3名。
現場監督の導入は今回が始めてであり、日本のスタッフが設計した図面をもとに彼が責任者となり建設された。落合が会との連絡役になり、都度会の指示を受けながら、建設作業が進められた。