2006年12月17日日曜日

都市周辺の「場つくり」 -現地NGO:IPDAとの連携  事務局長 伊藤有樹

 「場づくり」ではスペースとしての場だけではなくそこから何かが生まれるものとしての「場」も大切であり、そのためには人々の活動も重要な要素となってきます。人々が集い、話し、考え、学ぶ行為、これらによって本来の「場」というものが生まれ、そしてその「場」は新たに生活の支えとなり、希望や糧となっていくものと思われます。


 ボリビアの都市周辺へは、貧困や生活の不便さに耐えきれず高地や鉱山からの流入者が多く集まり住むようになってきています。そこでは新しい居住者として地域意識が薄かったり、なかなか地域に溶け込めない人々もいます。先にある自治組織(主に上水をひくための資金供出・利用料金を支払う世帯)に対し、上水利用料を払えないため自治組織に加われない場合もあります。同じ地域に住みながらまったく隔絶した生活がなされていることもしばしばです。そのような地域では、地域として同じ問題を抱えていながらそれぞれの人が漠然となんらかの解決を望みつつも道を見つけられずにいるのが現状です。
 今一度原点に戻り地域から生活を改善して行く。そのためには口角沫をとばし演説する/できる大人達だけではなく、女性たちや若い人たちの意見も生かされる地域でなくてはなりません。貧しい人も裕福な人も、皆それぞれ異なる造詣をもち異なる問題意識を持っています。しかし皆同じようにより安全で住み易い生活を願っているのです。お互いに話し合い、譲り合い、足りない知識は補い会い、より良い方向へ未来へ活動していくことのできる、そのような「場」を再構築していくことが重要と思えます。

 私たちは今、コチャバンバのフローレスタ地区とシウダ・デル・ニーニョス地区において現地NGO「IPDA」の協力を得、先年建設された「学び舎」を利用し、地域住民と接していくなかで共に考え手助けやアドバイスをし、住民のための真の「場」づくりを支援していくことを検討しております。またIPDAの関わるラパスのメカパカ地区への協力を行なっていきます。そしてこれらの際、知識を得て問題を正確に把握し、また解決の手助けとなるような教材の手作りも考えてます。
 今現在、IPDAと共にこれら計画の細かい実施体制を検討し推敲しつつある段階です。概略としては以下のような手順を考えています。

 1-地域の多くの人が「場」に参加し自分達の問題を考える

 2-問題を検討できるような知識を身につける

 3-問題の原因を解明しする

 4-現在何が一番の重要課題かを検討し優先順位を付ける

 5-重要課題について解決のための知識を得る

 6-具体的な手法をもって解決方法を考案する

 7-市や支援機関などとの調整方法を知る

 8-解決に向けて行動する

現地NGOのIPDAについて
 IPDAは地域づくりに参加できるような人の育成が目的のNGOです。4年前よりラパスのエル・アルト地区で、地区の抱える様々な問題の解決のため、住民の自治への積極参加を目的として種々の計画・遂行・女性や若者の知識育成活動を行なっています(オーストラリア、ドイツ等のNGOからの支援)。先年エルアルトの9地区中3地区において、この地区の現状の問題として下水や河川流域の基盤、環境問題、教育、経済が挙げられました。最重要のものとして居住地域を流れる河川の氾濫が問題となり、住民自ら計画を建て、市等の援助により護岸工事を行なう予定です。彼らNGOの手法は全国で情報を求められている状況です。