私たちの会も、なんとなく土や水という自然素材にこだわり、この4年間、ボリビアの人々と共に<学び舎>づくりに取り組んできました。それは、「より速く、より多く、より大きく」を標榜した「石油の世紀」のペースとは異なり、汗を流しながら一つひとつの土ブロックの積み上げ方を確かめ、ゆっくりとていねいに進めていく作業でした。スローな作業ペースでも<学び舎>は1棟ずつ出来ていくもので、昨年に完成したフローレスタ村の1棟目に続いて、この8月に同じくコチャバンバ市郊外にあるシウダ・デ・ニーニョス(スペイン語で「子供の街」)村で2棟目の竣工を祝うことができました。
2棟目も1棟目と同じ土ブロックでできた楕円の建物ですが、<学び舎>が形になるまでは1棟目とは相当に異なる経緯をたどりました。<学び舎>づくりに着手した9月から、私たちの会の職人や若者が現地に長期滞在し、村人たちと協働で造り上げるという作業が試みられたのです。しかし、住民参加方式を模索しながら進めている私たちにとって、その過程は試行錯誤の連続だったといえます。ともあれ、色々な難題にぶつかりながらも2棟目の完成を見るに至ったのも、皆さまからのご支援とご声援のおかげです。本当にありがとうございました。
この場を借りて1棟目の現状についてもご報告したいと思います。1棟目は時の経つごとに現地の人々の生活風景に馴染んできているようです。
<学び舎>の壁には、婦人会の女性や子どもたちが描いた愛らしい花々が描かれ、重厚な建物も明るい感じの装いをもつようになりました。今では週2回の婦人のための読み書き教室に加えて、平日は子どもを対象にした教室も開かれています。ただ、今年はじめの暴風雨の際、屋根の一部が崩壊してしまいした。現在は、応急措置をしていますが、この秋から3棟目の建設と平行して本格的な修理工事を行う予定でいます。
さて、私たちの会では、よりニーズのある地域、つまり学びたいけれど学ぶ場所がなくて困っているという村人の多い地域で<学び舎>づくりをしたいと考えております。一般にボリビアで読み書きのできない人々が多い地域は貧困の度合いも高いということがいえますが、私たちの会では、貧困の中にありながらも現地の人々と学ぶ喜びや生きる喜びを分かち合えるような場をつくっていければよいと考えております。相変わらずのペースですが、皆さんに支えられながら、これからも「土と水の世紀」にふさわしい <学び舎>造りを続けてゆきます。今後ともご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。