2003年3月8日土曜日

ボリビアと日本の「幸福度」

 「世界幸福度データベース」という耳慣れない指標があります。オランダのエラスムス大学の研究チームが67カ国のデータをまとめ、分析したものです。先日、各国の指標を見ていて興味深いデータに出くわしました。「先進」国である日本と「後進」または「発展途上」国であるボリビアとがほぼ同一の幸福度なのです(ボリビアが6.2、日本が6.3ポイント)。国内の貧富の差などを考慮すると検討する余地のある数値ですが、何か大事なことを考えるきっかけになるデータだと思いました。
ボリビアと日本にはさまざまな格差があります。1人あたりのGDPは日本がボリビアの9倍。保険医療費は33倍。携帯電話登録者数は10倍。平均余命には20年の開きがあります(61歳vs 81歳)。しかし、「幸福」というモノサシで両国を測ると、物質的な豊かさの差にかかわらず、さして変わらないのではないかということを上の数値は問いかけてきます。
 ボリビアの生活を想い起こすと、これらのデータは妙に説得力があるように思えてきます。かつて「南米の最貧国」というレッテルを世界銀行に貼られたボリビアですが、現地に行ってみると多くの笑顔に出会い、美味しいランチを時間をかけて食べ、親が子どもと過ごす時間も長い・・・など、スローライフが実現されているという見方もできてしまうのです。
 私たちの3棟目の「学び舎」づくりでは昨年末から2人の若者が住民と一緒に汗を流しています。ファーストフード大国の日本からスローフード伝統国のボリビアへとワープした彼らは何を感じているのでしょうか。この点については後ほど皆さまにお伝えできればと考えております。
(永田佳之)