2003年3月9日日曜日

建築部会報告  3棟目の学び舎について      建築部会長 福峯衆宝

 今回は建設場所が都市近郊ではなく農村型の集落といいましょうか、そんな場所を選定しました関係もありまして1,2棟目の学び舎とは全然趣の違う建物になっています。
 前回は暖かみのある楕円形の建物で包み込むような学び舎でしたが、今回のサイトは標高の高い場所にあり、交通手段がとても不便で、木が生えていないような集落です。そこに学び舎を造る為の資材搬入、機材の運搬、資材調達等も考えると資材の量を減らすことが今回の学び舎造りには最重要要素でありました。
 そして何しろ会の資金も前回ほど無いので「早く、安く、安全である学び舎造り」を目指そうと計画を変更しました。
 その結果、楕円形と、2重壁は避ける。屋根はスパニッシュ瓦は止めて簡単なものにする。ユウカリの丸太はどこで伐採されてきたのかも知ることが出来ない現状と、丸太の小屋組が技術的にとても難しいのでやめる。現地駐在の高橋君でも解る建物を造ることが今回は大切である、と判断しました。
 屋根は現地にある鉄筋トラス梁を写真でも確認し、去年派遣した佐藤君の情報とで検討し、トラス梁組で計画しました。 楕円形の建物も時間と労力がかかることと、現地の人だけでは組み立てが難しくなるので今回はあらゆる意味でテストケース的に簡素化して、シンプルな四角い学び舎を作り、もし悪い点が発生した場合は次回の時点で反省点は生かそうと考えました。
 我々の会は最初から泥、土には愛着があり、現地の技術を少し改良するだけで良いものが出来るんです、と考えて立ち上がった経緯もありますので、今回も日干し煉瓦を使用する、しないで建築部会でも話し合いがもたれましたが、石灰を入れてアドベの性能を改良する問題は、長い目で実現させるよう研究を続ける事で合意しています。
 ただ楕円の学び舎がいきなり四角い学び舎になりビックリするかもしれませんが予算を抑えながらの良い建物を提供できる為の努力も必要ですし、資材の量の縮小化はこれから我が会がもっともっと僻地に入り込み本当に、学び舎を欲する人々の為に力を発揮できるかどうかの大切な挑戦であることを理解して頂きまして、益々のご支援と、応援をよろしくお願いします。