2003年3月8日土曜日

3棟目の学び舎づくりの体制について

 3棟目の学び舎づくりの体制について簡単にご説明します。私たちは3棟目からよりニーズの高い地域で学び舎づくりを支援しようということになりました。昨年10月に現地調査を実施し、村人の結束力や敷地、水の確保、土質など諸々の条件を考慮した結果、コチャバンバ市内から車で3時間半ほどのアンデス高地にあるコチ・ヴァケリーヤ村に決まりました。インカ帝国の従属民の子孫だといわれるケチュア民族の人々が17家族で暮らす小村です。
 3棟目からはプロジェクトの運営自体が新体制でスタートします。これまでは現地NGOであったカウンターパートが、ボリビアで長年識字教育活動を実施してきた実績のあるユニセフ(スペイン語ではウニセフ)・コチャバンバ地域事務所となります。また、学び舎が完成後も適切に利用されるようにモニタリングする役をユニセフと共に地元タコパヤ市の教育局が担ってくれます。つまり、学び舎づくりの主体としてのコチ・ヴァケリーヤ村、調整役としてのユニセフ、完成後のモニタリングとしてのタコパヤ市教育局、技術支援・資金提供役としての学び舎づくりの会という4団体の協働体制で臨みます。



 昨年の現地調査でコチ・ヴァケリーヤ村を訪れた際、契約を取りかわすために4団体で野を越え山を越えアンデスを四駆で奔走しました。道すがら村の生活を垣間見、村人やユニセフ職員らと話しながら感じたのは、総じて「幸福度」は決して低くないとされるボリビアでも、具体的な状況となると、やはり色々な不自由や不幸があるということ、国際機関の職員も役人も村人も、そうした状況をなんとかして改善していきたいという想いは変わらないということでした。
ボリビアでも日本でも幸福の中味はさほど変わらないのかもしれませんが、不自由さや不幸の中味は相当に違うのでしょう。学び舎が現地の人々のしんどさを少しでも軽くするような場になればよいと願いながら、コチ・ヴァケリーヤ村を後にしました。
(永田佳之)