2003年3月9日日曜日

事務局だより

「学び舎づくりを支援する会」が活動を開始してから4年以上の年月が経ちました。今年は3棟目の学び舎が、ボリヴィア・コチャバンバ県のコチ・ヴァケリーヤ村に建つ予定です。


「学びたいけれど場所がないと切実に思っている人たちがいる。」

このような現実に対する共通の認識のもと、さまざまな背景を持つ人間が、さまざまな思いを込めつつ、これまで「学び舎」づくりに参加してきました。

 設計や施工を専門とする人、塗装職人や左官職人。また、建築に対する専門的知識は少ないけれども、編集、福祉、環境、教育、開発、ボランティア、異文化理解等、それぞれの経験を有する人。こうした人たちが、「学びたいけれど場所がない、と思う人たち」の声に耳を傾けながら、それぞれの智慧と経験を少しずつ持ち寄りながらつくってきたのが、「学び舎」です。

 このようにして見ると、「学び舎」はさまざまな人間の多様なリソースを活かした「虹」のように見えますが、必ずしもそのように「虹色」でないのが現実です。皆、気心の通じた間柄ではありますが、「学び舎」に対する眼差しは真剣であるだけに、膝をつめて話し合うときは、唾をとばしあいながら、またある時は泥をかけあいながらの激論を交わすこともしばしばです。わたしたちの「学び舎」が「泥」、「土」でできているのは、その建築資材だけが所以であるのではないのかもしれません。

 「学び舎」の「舎」という字は、「やね・ひとがしら」の部首をあらわす「人」の字に「土」と「口」でできています。さまざまな職業経験・生活体験を積んできた「人」が、「口」を使って忌憚のない意見を交わしあい、「土」を使った「学び舎」を形にする。そのような活動に、皆さんもそれぞれの智慧と経験をちょっとずつ持ち寄りませんか?

これまで、さまざまな形で会の活動を支援し続けてくださった方々に感謝の気持ちをお伝えするとともに、これからも一層のご支援をいただけるよう努力していきたいと思います。
(倉田)